危険地帯
キョウハク状(相良深月side)
【相良深月side】
気づいたら、泣き疲れて寝入ってしまった羽留と一緒に眠っていた。
数時間経って、目を覚ますと。
――そこに、羽留の姿はなかった。
ベットで横になっていたはずの、羽留がいない。
まだ寝ていた司と律も起こして、地下の中にも、たまり場全体を手分けして探しても、どこにもいなかった。
「どうなってんだ……!」
思わず、舌打ちを吐いた。
さっきまで、確かに羽留は俺のそばにいたのに。
ふと時計を見ると、短い針は“11”を、長い針は“4”を指していた。
「リーダー!司!ちょっとこれ見て」
間延びしていない喋り方で言った律の元に駆け寄ると、地下に続く階段の一番下のところに、催眠スプレーと長方形のカードがわざとらしく置かれてあった。
……そういうことか。
俺らが寝ちまったのは、羽留の睡魔が感染したからじゃない。
何者かによって、地下に催眠スプレーを噴射されたからだったんだ。