危険地帯
「この人はね、僕の再婚相手だよ。そしてその隣にいるのが、娘さん」
「……はい?」
今、お父さんなんて言った?
再婚相手?その娘さん?
あれ?今日ってエイプリルフールだっけ?私の記憶では、7月下旬のはずなんだけど。
「まあ、詳しい話はリビングでするから」
「え、ちょ……」
「今日は四人で夕飯食べよう」
だから、さっきメールで『夕飯は多めによろしく』って送ってきたんだ。
混乱している私をよそに、お父さんと再婚相手とその娘さんはリビングへ行く。
そして、なぜか知らない人と夕飯を食べることになってしまった。
「どう?美味しいかい?」
「すっごく美味しいです」
お父さんは、再婚相手の娘さんに夕飯の感想を聞いて、満足げな表情をする。
料理を褒められて嬉しいけど、それどころじゃない。