危険地帯
許すキモチ
突然、首をガクッと落とした私に、忍者は驚いた。
しかしその驚きは、すぐに焦りへと変わる。
なぜなら、忍者は知っていたから。
私が、二重人格だということを。
そして、アイツがイカれてることも。
「真夜中零時だ」
司の声が、はっきりと聞こえた。
“私”の目が、開かれる。
少し赤くなったその瞳は、ワタシの証。
「闘いを、許可しましょう♪」
機嫌のいいワタシは、朗らかな笑みを浮かべる。
冷静さを取り戻した忍者は、持っていたナイフの先端を私の首に押し付ける。
ツー、と血が一適流れた。
ちょっと、私に何してくれてるのかしら?