危険地帯
せっかく、嬉しくて仕方がなかったのに。
私の血を見たら、気分が暗くなっちゃうわ♪
「やめてくれる?」
「っ!」
初めて間近で見るワタシに、忍者はビクリとする。
そんなに怖がるなんて、失礼ね。
目を三日月型にしたワタシは、
「これ、さっさと下ろして」
と、ドス黒い声で命令する。
が、忍者はハッと笑って、その命令を拒否した。
……まあ、そうでしょうね♪
情報を掴むために、いくつもの修羅場をかいくぐってきた忍者だもの。
ワタシの殺気ごときじゃ、ナイフを下ろさないわよね。
でも、それならそれで、いいのよ♪