危険地帯
「……羽留?」
「どうしたの~?」
「様子がおかしいぞ」
いきなり意識を失ったかのように倒れた私に、三人が心配そうに声をかける。
瞬間、パチ、と開いた目。
その目は少しだけ赤くなっていた。
「ハロー、黒龍さん♪」
のそりと立ち上がって、ひらひらと手を振って笑みを見せる“ワタシ”。
先程までの“山本羽留”とは違うことに気づいた黒龍の三人は、ワタシから一定の距離を取って、ワタシに疑いの眼差しを送る。
あら、怖い怖い♪
そんなに警戒しなくてもいいのに。
「誰だ、てめぇ」
深月はワタシを睨みながら、そんなことを聞いてきた。
失礼ね♪さっき自己紹介させられたのに。