危険地帯
「知ってるでしょ?ワタシは、山本羽留よ♪」
改めて自己紹介をしても、三人は信じてくれなかった。
ワタシも“私”も、同じ山本羽留なのに♪ほんっと、失礼な人達。
「信じてくれないの?ひっどーい♪」
プクッと頬を膨らませておどけて見せても、効果はないらしい。
つまんない男達ね。ここは空気が和らぐところじゃない?
「今日会ったばっかの奴を、信じられるわけねぇだろうが」
深月の視線が一気に鋭くなって、表情がより険しくなる。
この人は信じることが苦手なのかしら♪
まあ、なんでもいいけど。
「あんた、強いでしょー」
「さあ?」
「……あんた、山本羽留のなあに?」
律が何かを見抜いたように、グレーの目を細めた。