危険地帯



神雷の人達は、一件落着したこの状況にホッとしていた。



「それなら、俺の手にお前の手ぇ合わせろや。空気読めねぇな」


「腕縛られてんだよ!」


「あ、そうだった」



きっと、大丈夫だ。


忍者の復讐心も、いずれ消える。


そんな気がする。


だって。



「これからよろしく~」


「よ、よろしく。ていうか、縄解いてくんない?」


「……なぜだ?」


「なぜって、俺、もう仲間だろ!?」


「いいじゃねぇか、そのままで」


「よくねぇよ!!」




忍者は、黒龍の一員になったのだから。



もう既に、深月と司と律の雰囲気に包まれて、黒龍に染まりかけている。


三人のペースに流されて、笑っている忍者の姿に、私は微笑んだ。



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