危険地帯
階段を一番下まで下りると、階段の近くに皆が集まっていた。
私が急に現れて、皆はびっくりしていた。
10秒間の静寂の後、
「う、羽留……!」
律が、私に抱きついてきた。
私の肩に顔を埋める律。
「変な男に連れ去られた時は、どうしようかと思ったよぉ」
「あ、あれ、お父さんだよ」
「……え?」
声を震わせて言った律に、私は平然としながら答える。
私の言葉に、皆は呆然とする。
「家族と、仲直りしてきたの」
過去を話した皆(正確に言うと、三人)には、ちゃんと報告したかった。