危険地帯
「どういう意味だ?」
「確かに、帰るべき場所ができたけど」
深月がそう聞いてきて、私は一度目を伏せて、再び視線を上げて皆を見つめる。
家族が待っている家が、私の帰る場所。
私の、居場所。
でもね。
「ここも、私の居場所でしょ?」
黒龍のたまり場は、皆のそばは、皆と出会ったあの日から、私の居場所。
それは、変わらないよ。
たとえ、居場所が増えたって、ここは私の居場所だと思ってもいいでしょ?
「……ていうことは、羽留はこれからもここにいてくれるの?」
「うん!あ、でも、今日は泊まっていいって許可出たけど、明日からは夜遅くなったら帰らなくちゃ」
「え~。まあ、いっか。羽留と一緒にいられるなら」
元気になった律が、また私を抱きしめた。
深月が「おい、離れろ!」と、律を引っ張って、私から引き剥がそうとする。