危険地帯
ワタシが別れを告げると、プッツリと意識が途絶えた。
「う、る?」
「……ん、」
倒れかけた私を、深月が咄嗟に支える。
だんだんと戻ってきた私の意識は、少しだけ今までと違っていた。
アイツは、消えちゃったの?
私が6歳の時から一緒だった、私の唯一の味方だった、アイツが?
「羽留、どうした?」
「え?」
「なんで泣いてるんだ?」
司に言われて、気づいた。
私が今、泣いているということに。
まつげについた小さな涙の雫に、触れてみる。
これは、アイツが流した涙のような気がした。