危険地帯



深月は、私からプイと顔を背けながら、




「神雷に同盟を組まないかって言われたから、その返事に言ったんだよ」




と、呟くように言った。


神雷と黒龍が、同盟を……?



「同盟、結ぶことにしたの?」


「……あ、あぁ」


「それって、普通は総長が返事しに行くものじゃないの?」


「べっ、別にいいんだよ!俺が行かなくたって」



深月のピアスがじゃらじゃらとついた耳は、うっすらと赤くなっていた。


あ、もしかして、恥ずかしがってる?


今まで神雷に事あるごとに突っかかって、散々けなしてきたから、いきなり同盟だなんて言われて照れくさいのかもしれない。


だから、同盟を組むかどうかの返事を司達に任せて、深月は一人でお留守番していたってわけか。



「ふふっ」



つい笑ってしまった。


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