危険地帯



相良深月が「おい、待てよ!!」と怒鳴っても、神雷の三人がもう一度振り返ることはなかった。


そのまま神雷の人達は大通りから去っていき、姿が見えなくなってしまった。



一瞬、黒龍と神雷が喧嘩し始めると思ってヒヤヒヤした……。


恭弥という人と蜜という人は喧嘩する気満々なように見えたけど。


神雷の総長からは怒りや殺気を全く感じなかった。







――私達も、倉庫に行くのはやめて大通りを離れ、黒龍のたまり場へと戻った。



「くそっ」



地下に戻りソファに座った途端、深月は八つ当たりするかのようにテーブルを勢いよく蹴った。


神雷の総長の態度が気に食わなかったらしい。


私は深月を逆なでしないように、部屋の隅で縮こまっていた。



『闘う理由がねぇ』



ふと、神雷の総長が言った言葉を思い出した。



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