危険地帯
シャットダウンしたように“私”としての意識が消えて、もう一人の“ワタシ”が覚醒する。
真夜中零時を知らせる音がだんだんと消えていった。
「昨日、言ったわよね?」
ワタシは、“私”の喉を掴む深月の手に爪を立てて引っ掻いた。
痛みを感じた深月は、すぐにワタシから手を離す。
「もう一度言いましょうか?『山本羽留に傷一つつけないでよね!ちゃーんと私のナイトになってちょうだいよ?』」
昨日言ったばかりなのに、もう忘れちゃったかしら?
忘れたくらいならまだ許してあげたけど、私を殺そうとしたのは許せないわね♪
「ナイトどころか殺し屋になってどうするのよ♪」
ニッコリと殺気を漂わせて微笑むと、黒龍の三人はワタシから一歩離れた。
警戒されちゃってるかしら♪
まあ、なんでもいいわ。ワタシの大事な私を傷つけなければ、それでね♪