危険地帯




「もしまたこんなことがあったら、ワタシがあんた達の喉を掻っ切るからよろしくね」



そういえば昨日も似たようなことを言ったっけ。ま、いっか。


念のため言っておくけど、もちろん脅しでも悪い冗談でもないわよ?


本気の中のほ・ん・き♪



「八つ当たりするくらい幼稚だとは思わなかったわ♪」



黒龍の総長は、ただのガキだったってことね。


こんな奴らに私を託して、本当によかったのかしら?



「チッ、うっせぇよ」



深月は舌打ちをして視線を落とす。


ほらほら、そういうところが幼稚なのよ♪




「黒龍という族を背負ってるんだから、もっとかっこよく振舞ってなさいよ♪」




大人になれって言ってるんじゃない。


もう少し視野を広げてよく見ろって言ってるの。


私をそばに置くのなら、力だけじゃなく心も強くなりなさいよね♪



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