危険地帯




「お前なんかに指図されたくねぇよ」


「あら、それはごめんなさい♪」



そう言っている割には、大分落ち着いてきたじゃない?


さすが、黒龍の総長ってことはあるわね♪


でも、まだまだ子どもだけど。



……深月は時々不安になるけど大丈夫かしら。司は一番大人ね。


一番の問題は、あいつか。



「なあに?羽留サマ」



ワタシと視線が合うと、わざとワタシのことを“羽留サマ”と呼んだ律。


謎めいた律の視線を、ワタシが現れた時からずっと感じていたわ♪



何を考えているのか、そう簡単には教えてくれないのね。


一体、どんな感情をワタシに向けているのかしら?



「なんでもないわ♪」



ワタシは何も気づいていない振りをして、目を細めてごまかすように言った。


< 90 / 497 >

この作品をシェア

pagetop