危険地帯
「お前なんかに指図されたくねぇよ」
「あら、それはごめんなさい♪」
そう言っている割には、大分落ち着いてきたじゃない?
さすが、黒龍の総長ってことはあるわね♪
でも、まだまだ子どもだけど。
……深月は時々不安になるけど大丈夫かしら。司は一番大人ね。
一番の問題は、あいつか。
「なあに?羽留サマ」
ワタシと視線が合うと、わざとワタシのことを“羽留サマ”と呼んだ律。
謎めいた律の視線を、ワタシが現れた時からずっと感じていたわ♪
何を考えているのか、そう簡単には教えてくれないのね。
一体、どんな感情をワタシに向けているのかしら?
「なんでもないわ♪」
ワタシは何も気づいていない振りをして、目を細めてごまかすように言った。