チョコレート
席に戻ると、窓の外を見ているあいつがいた。



……みきがあんなこと言うから意識しちゃうじゃん。








確かにすごい整った顔をしている。



さらさらで茶色の髪。
大きくて美しい目。
高い鼻。
薄い唇。

しかも背も高い






…つまり、めちゃくちゃかっこいい。
みきの言う通りだった。







「なんだよ。」


「え!?」


いきなり声をかけられてすごっいびっくりした。



まさか…みとれてたなんて言えない。



しかも、さっきまでこいつのことを「カッコイイ」なんて思ってたなんて言えるわけもない。




「別に――。」




なぜかドキドキしてしまってるあたし。



「ふーん。」




そっけない返事をして、また窓の方に顔をむけた。




はあ……



あたし、なにドキドキしちゃってんの…



このときは自分でもまだ気付いてなかった。





ねえ…



弘樹。







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