君と僕の白昼夢



「卓、起きて」


9回目の今日が来た。


俺の家で日和は死んだ。

やっぱり死を回避なんて無理なのか…?




………いや…抜けるんだ…

早くここから抜けるんだ…!!




俺は立ち上がった。

「す、卓?」

「よしっ」

「何したのよ」


おかしな俺を日和は目を丸くして見ている。


そんなのは気にしない。


でも何をしよう…


携帯はないし…


でもネットは信用出来ないし嘘ばかり…







最悪、日和を見捨ててまでも探すしかないのか…?


そうか…


何回も日和を庇ってこのループを長引かせるより、日和を庇わずにより早くループを終わらせた方がいいのかもしれない。



ごめん日和。


日和には犠牲になって貰わないと終わらせられないのかもしれない…。



そうなったら俺はその道を選ぶ。




なんだか、自分が強くなったような気がした。


成功するには、犠牲が必要なのだと知った。

その犠牲が、日和であろうとも。

最終的には君を救うことに繋がる。


許してくれ。


君の死を見過ごす俺を許してくれ日和。










全部、日和の為だから。



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