君と僕の白昼夢
第三章

覆す運命



「卓、起きて」

10回目の“今日”がきた。


俺は日和の声を無視して顔を上げた。

衝撃的な事実を…知ってしまった。

後には引けない。

助けなきゃいけない。

でも…

「そんな…」

俺は頭を抱えた。悩んだ。

俺は今日…死ななくてはいけない。

大好きな、大切な人のために。

「卓?何したの?」

ボーッとする俺に微笑む日和。

俺は立つ日和の右手を左手で握った。


「えっ?な、なに?」


何をしても、どんな反応をしても日和を愛しいと思う。

だってお前を見るのは“今日”で最期だから。

「これで最期…。“今日”で全部終わるよ」

そう言って俺は日和から手を離した。

「何言ってるの?」

クスクスと肩を揺らして笑う日和を見ていると目の前が涙で霞んでいく。

気づかれないように目をそらした。


これで最期………


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