君と僕の白昼夢
そこに立つと海風を感じた。
やっぱり怖い……………
こんな形で、俺の人生終わるなんて…………
涙が止まらなかった。
溢れて前が見えなかった。
日和ともっと一緒にいたかった。
健太郎ともっとバカしたかった。
話したいこと、まだまだあった。
もっと、やりたいことがあった。
きっとこの先、今まで以上に楽しいことがあるのに。
将来の夢もあるのに。
親孝行もしてない。むしろ親不孝だな…俺。
今まで楽しかった。
なに不自由なかった。幸せだった。
俺の人生、文句無しだ。
はなまるだ………………………………
俺は携帯を手に取り、日和の連絡先を開いた。
川島 日和
「日和………………」
涙が画面に何粒も落ちる。
これで本当に最後だよ。
ありがとう。
今までありがとう………
俺は携帯を思いっきり海へ投げた。
海へ携帯が落ちる。
その瞬間、風に背中を押されたような感覚が俺を襲った。
「はは……そんな急かすなよ……」
時計を見るともう4時半を過ぎていた。
「でもまあ…そろそろ覚悟決めなきゃいけない時間か…」
思ったより時間は過ぎていた。
そうか…………そうだよな…………
「よし…!」
俺は前へ進んだ。
先端に立つ。
水飛沫が恐ろしい。
相変わらず震えは止まらない。
俺は大きく深呼吸した。
「さよなら」
俺は海へ大きく跳ねた。