君と僕の白昼夢
「私が知らない記憶を…立花くんが知っているとしたら…」
その言葉にドキッとした。
え…?コイツ何者…?
「この本を知ってるの?
なんでこの本を持ったの?
私となんの会話をしたの?」
「え…お前…」
「あなたは今、ここにいないの?」
その瞬間、爽やかな風が俺の心を吹き抜けて言った気がした。
こいつ…何いってんの?
俺がボケっとしていると急に瀬川は顔を赤くして焦り出した。
「あっ、ごめんなさい…本当に…何でもないです…」
恥ずかしがりながら俺の腕から手を離した。
熱くなると人が変わったようになるな……
普段静かで人見知りな瀬川は俺の言葉を聞いた瞬間、変わった。
きっと本気で言っていたんだろう。
きっと何か得られるかも…