君と僕の白昼夢


「兄ちゃん?大丈夫?なにそわそわしてんの?」

「はっ?え?いや……別に……」


焦っているのを見抜いたのか。


そりゃ焦る。焦るだろ……!!


「本当に知らないのか!?何か小さいことでもいいから!」


俺は佑の肩を強く揺らした。


「ええ…な、ないってば」


「頼む…何か…何か…」


「兄ちゃん…?なんか変…」


ヤバいって……なんの収穫もなしに戻れない…!


日和を犠牲にしてるんだ…顔向けできない!


これじゃただ日和の死を見逃しただけ…


それは避けたいのに…!


せめてなにか…なにか…!


汗が止まらない。


佑の少し怯えた目。後ろに仰け反る体。


佑から見た俺は完全に別人だろう。


「兄ちゃん………?」


そう佑が言ったときだった。


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