君と僕の白昼夢
第五章
答えへの道標
「卓、起きて」
13回目。
12回目、お前はどう死んだんだろうな。
現実から、事実から、真実から目を背けてしまった。
でもこれでいい。
俺の心を保つため。日和を救うため。俺達が救われるため。
今日は…神下村に行く。
でもアホみたいにしっかり授業なんか受けてたら時間が足りない。
確実かはわからないが、ばあちゃんから村の場所を教わった。
電車で行ける距離だが、まあまあ遠い。
でもここから行ける場所で良かった。
だから今日は…
「あー…なんか頭痛いや…ちょっと早退するわ」
「え!?」
俺はそう言って鞄に必要な荷物を詰めた。
「ちょ…大丈夫?」
心配そうに日和が言う。
「帰れんのか?」
健太郎が自分の席から俺に言った。
「うん全然!あ、先生に言っといて」
そう言って走って教室を出た。
「全然大丈夫じゃん」
「ほんとね…」
そんな会話を二人がしていたなんて知る由もない。