君と僕の白昼夢


駅までひたすら走る。


まだ昼時。人通りは多かった。


みんながいる世界とは別次元の世界をひたすら走った。


あの時…いつかの“今日”、日和と駅前のカフェへ向かって歩いた道だ。


あれから…少し成長できただろうか。


何か、得ることができただろうか。


大丈夫。


戻ったらきっと俺は幸せに笑えるだろう。


日和や健太郎に話したら、笑ってからかわれるだろうか。信じて食いつくだろうか。



ああ…瀬川は絶対信じるだろうな。



そう、全て終わったら俺はきっと変わってるはずだから。


言い聞かせ、駅までひたすら走った。


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