君と僕の白昼夢
「卓!どうしたの?ねぇ!」
日和が俺の方を揺すっている。きがする。
健太郎が心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。きがする。
「卓?夢は覚めたぞ?」
健太郎は何を言ってる?
「いや…ゆめじゃない。たしかにきいたんだ…」
俺の発言に日和が焦っている。きがする。
「ねぇ!卓!?なにしたの…
ねぇ青木くん…卓なんか変だよ…」
「うん…なにがあったんだ?」
二人が話している。
「きがする…」
俺の心が折れた瞬間だった。
「ああああ…!!!!」
俺はもう一度叫んだあと、涙で溜まった目を日和に向けた。
「日和、もう大丈夫」
目が覚めた。
思い出した。
受け入れられない現実が俺の思考を奪っていた。
「す、卓…?」
日和が俺を怖がっていた。
俺は日和に微笑んだ。
そして手を日和の頭に乗せた。
「全部終わる…」