君と僕の白昼夢
「卓、起きて」
15回目の“今日”がきた。
日和の声に俺は起き上がり、立った。
「日和。もう全部終わるからね」
「え?」
日和は不思議そうにしていたが、俺は無視し、健太郎の元へ。
「健太郎……ちょっと付き合え」
「え?なに?」
俺は健太郎の腕を引っ張り、教室を出て玄関へ向かう。
「ちょ、卓」
「俺とサボろう。頼む。今日だけ」
「いやいやいや無理!」
部活生の健太郎は、さすがにそんなことはできないと言った。
でも外へ連れ出したい俺は真剣に言った。
「頼む健太郎。一生のお願いだから。頼む…お願いします…」
俺は健太郎に頭を下げた。
「おいおい…」
少し悩んだあと健太郎が口を開いた。
「わかったよ。親友の頼みだ。わかったから頭上げろよ。らしくないよ」
「…ありがとう」
どうしても…こうしなきゃいけないんだ。