君と僕の白昼夢
そう言って笑う健太郎は輝いていた。
「そうだな…」
俺も健太郎に向かって笑った。
「てか絶対俺怒られるじゃん!
ったく…顧問になんて言われるか…」
健太郎が言った。
「もーどうせ怒られるならパーっと…」
あ!そうだ…!
「健太郎!街行こ!」
「え?なんで?」
「どうせサボるなら開き直って遊ぼーぜ!」
俺は思いついた。
どうせ最後なら……
俺はお前といたい。
「一緒に怒られよーぜ!」
俺は健太郎の腕を引っ張った。
「ったく…しゃーねーな……」
俺たちは子供のように笑い、走った。
無邪気に。童心に返って。
「早いよ健太郎!」
「お前が遅いんだよ運動音痴!」
「はぁ!?」
海辺を走る。
制服で二人の男子高生が。
馬鹿みたいに走って街へ向かう。
「やっぱ走るって気持ち良いー!!!」
健太郎が走りながら叫ぶ。
「俺…限界…」
俺は死にそうだ。
さすが部活生…体力は相当あるようだ。
「ほら、まだまだだぞ!」
こうして俺たちは街へひたすら走った。
楽しかった。素直にそう思った。