君と僕の白昼夢
「あ!」
日和がいきなり思い出したように声をあげる。
「なに」
「お金下ろさないとないんだった。
コンビニで下ろしてくる」
…
そのとき俺は思い出してしまった。
忘れてたのに。
全部。
なんで…あの時と…同じこと言うんだよ…?
「いや…」
「すぐ!すぐ!戻ってくるから待ってて!」
そう言って日和は俺の話を聞かずに走り出した。
…ざわざわする。
これで戻ってきたなら、俺は馬鹿だったと、夢ごときに振り回されて何してんだと笑えるのに。
それでよかったのに。
俺は走っていく日和を目で追った。
しかしその瞬間、視界の端に見覚えのあるトラックが見えた。