君と僕の白昼夢


「あ!」


日和がいきなり思い出したように声をあげる。


「なに」





「お金下ろさないとないんだった。

コンビニで下ろしてくる」










そのとき俺は思い出してしまった。


忘れてたのに。


全部。


なんで…あの時と…同じこと言うんだよ…?



「いや…」


「すぐ!すぐ!戻ってくるから待ってて!」


そう言って日和は俺の話を聞かずに走り出した。


…ざわざわする。



これで戻ってきたなら、俺は馬鹿だったと、夢ごときに振り回されて何してんだと笑えるのに。


それでよかったのに。



俺は走っていく日和を目で追った。



しかしその瞬間、視界の端に見覚えのあるトラックが見えた。





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