君と僕の白昼夢
俺はなんて未熟だったのだろう。
なんて浅はかだったんだろう。
ドスッッッ!!!
すごい音とともに日和が視界から消えた。
赤い、温かい液体が飛沫となって全身にかかる。
日和の立っていたその場所には遠目でも見えるようにと作られたであろう、カフェの看板が立っていた。
「…………は……?」
本当に一瞬だった。
人間の何倍もある看板が日和めがけて落ちてきたのだ。
こんなものに落ちてこられたらひとたまりもない。
しかも…
看板の下から日和の手が見える。
「……」
俺は恐怖で腰を抜かした。
地面に尻もちを着くと、嫌でも見える看板に潰された日和。
いや…日和が見えると言うよりは…中身が、だ。
あの時と同じ、血の海。看板からはみ出た手。
「うっ……」
なんだあれ…脳…
ソレを見た瞬間、とてつもない吐き気に見舞われる。
日和だと信じたくなかった。
トラックの時より、原型などない。
恐怖で歯がガタガタ音を鳴らす。
「ひ…より……」
そんな中、全てを我慢し見た時計の針は…
5時10分だった。
日和が死んだのはこれで3回目だ。