君と僕の白昼夢






「卓、起きて」

あぁ。4回目の“今日”が来た。

日和の聞きなれた声。懐かしい感じがするのは、3回も君の死を見たからか。

起き上がり、時計を確認する。

12時10分…か…

教室のこの賑やかさも4回目か…


そして“今日”もきっと5月14日。

そんなことはわかってる。この状況ならもう理解できる。

でも…

「…なんで…?」

トラックによる轢かれて死ぬ運命は避けたはずなのに日和は別の死に方で死んだ。

なんで別の死に方があるんだよ…。

時間も場所も変わらないのに。

日和は死んだ。

…なんでだ!?


ダメだこんな短時間じゃ理解できない。

「卓…?」

日和が俺を覗き込む。

だ…ダメだ…!!!

時既に遅し。

日和の心配そうに俺を見つめる顔が目の前に。

あの時の映像が思い出される。

原型がない日和が。

「うっ…………」

俺は口を抑え前かがみになる。

「ちょ…大丈夫!?」

日和の声に教室がざわめいた。

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