君と僕の白昼夢
ホームルーム終了のチャイムが鳴ってから少し経った時。
「失礼しまーす…」
保健室のドアが開く音とともに日和の小さく、控えめな声が聞こえた。
「先生いねーし。
おーい大丈夫か卓」
相変わらず声のでかい健太郎。
シャッとカーテンを開きながら
「お、起きてる」
健太郎が言った。
「気分、どう?」
日和にはだいぶ失礼なことをしたと思ってるが本人は何も言ってこない。
「大丈夫。
でもこのまま真っ直ぐ帰る」
俺は起き上がり、ベッドから下りた。
「はい荷物」
健太郎が俺のバッグを差し出す。
「あ!ありがとう」
俺は素直に受け取り、上靴を履いた。
「じゃあ今日は家で大人しくしてろ」
「そうするよ」
そう。今日は…
「じゃあ俺部活だから!
お大事に」
「ありがとな」
健太郎は保健室から出ていった。