君と僕の白昼夢

「帰るか」


二人きりの静かな保健室で俺は日和に言った。


「う、うん」


「日和も真っ直ぐ帰れ。今日は」


「え?うん」


少し戸惑う日和。


「何も予定ないだろ?」


「ないよ」


カフェか……

ごめんな、日和。


お前が何を考えているか、わかるよ。


でももうカフェに行くわけにはいかないんだ。

「今日はとりあえず、な」


念には念を。今日はどこにも行かせない。


「わかった」


俺は真っ直ぐ家に帰る。


だから日和、お前も真っ直ぐ家に帰れ。


日和が納得したかしていないか、本心はわからないがとりあえず帰ることを信じる。




今日はどこにも行かず、お互いの家に帰る。


これが“今日”の俺の答えだ。



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