君と僕の白昼夢
そのとき、
「兄ちゃん、持ってきたよ」
ガチャ、という音とともに部屋に佑が入ってくる。
「お、おはぎ」
「よかったね〜兄ちゃんの大好物じゃん」
「お前もだろ」
佑は数個のおはぎを乗せた皿を手に持っていた。
そしてそれを床の机に置く。
俺たち兄弟の好物であるおはぎを、たまに田舎から送ってくれる祖母。
そのたびに俺たちは昔からこうして仲良く一緒に食べてきた。
「相変わらず兄ちゃんの部屋はなんもないな」
床に座り、部屋を見渡す佑。
俺も椅子から下りて、佑の目の前に座る。
「落ち着くだろ」
「逆に落ち着かないよ」
「佑の部屋はうるさすぎ」
こうして食べていると、時間が過ぎるのが早い。
ふと見た時計はもう5時になっていた。