君と僕の白昼夢
大丈夫、大丈夫と言い聞かせ、俺はおはぎを食べ続けた。
「兄ちゃん、今日は食べるの早いね」
俺の食べるスピードに佑が驚いている。
「そんなにおいしい?まあ兄ちゃんの好物だもんね〜」
よかったね、と佑は笑っている。
つられて俺も笑う。
「お前のも食うぞ」
「やめろよ!半分こだろ!」
そんな楽しい佑との時間は、すぐに終わりが来る。
俺が時計を見たからだ。
佑のおかげで少しだけ忘れられた。
でも時計が、時間が、全てを思い出させる。
5時10分になった。