君と僕の白昼夢
「やだ」
下を向いて震える俺に上から聞こえる日和の声。
「…は…?」
「何か悩んでるの?だったら話して。
ひとりで抱え込むの?」
……
「何か辛いんでしょ?
それくらいわかるよ…卓のことだもん」
日和はそう言ってしゃがんで俺に目線を合わせる。
「卓、ひとりじゃないよ」
あぁ、いつだってそうだった。
俺の身勝手な八つ当たりにお前が怒ったことなんてなかった。
必ず優しくなだめてくれる。
大人なのはお前の方だ。
「無理には聞かないけど…
できることならするよ?」
日和の微笑みに、知らない感情がわいてくる。
初めて持った感情。