君と僕の白昼夢
小さな遊具がちらほら。
ブランコに鉄棒、滑り台…
砂場もあり、何人か子供もいた。
俺達は空いていたベンチに座った。
「なーんか久しぶりだねー」
「そうだな」
中学生の時もこうして来たのを覚えている。あの時誘ったのは日和だったっけ。
「時が過ぎるのは早いねー…」
「…」
「きっとこれからもあっという間に過ぎちゃうんだろうな」
俺は日和の言葉に賛同できなかった。
何故なら、時は進んでいないからだ。
日和、お前の時間は止まっているんだよ。
進んでなんかない。
俺だけがやっぱり取り残されていて、なんだか悲しくなった。
「でも大人になっても、こうして親友でいようね」
日和…
俺が日和を見ていると…
「何よ…卓が言ってくれたんじゃない。
覚えてないの?」
日和がすねた顔をした。
忘れるわけないだろ。
あれは…中学1年生の冬だったかな。