君と僕の白昼夢


中学1年生の冬ーーーーーー。


俺と日和は公園に来ていた。

雪景色の寒い中の放課後だった。

ベンチに座って俺は日和にココアを渡した。

『ありがとう…』

『たまにはいいな、こういうの』

うん、寒かったけど楽しかった。

俺は自分から出る白い息を見ていた。

雪はしんしんと降っている。

辺りは静かだった。

すると日和が小さな声で言った。

『私たち…中学校卒業したら別々になるの?』

『え?』

『高校同じでも…進路とか…ずっと一緒に居られるわけじゃないよね…』

日和は悲しそうに俯いた。

『んー…そうだね…

お互いやりたいことも違うだろうし…』

『そうだよね…』

相変わらず悲しそうな顔をして。

俺はなんだかそれが辛くてしかたなかった。

『…でもさ…』

俺は俯く日和の横顔を見つめて言った。

『離れたとしても忘れることなんてないだろ?』

『…』

『辛かったら電話しろ。嬉しいことがあったらメール入れろ』

『卓…』

『悲しくなったらすぐ駆けつけるから。

日和がもし俺を忘れても、俺は日和を忘れない』

日和は泣き出した。

『私だって…忘れないよ…』

そんな日和を俺は微笑んで見つめる。

『俺たちは、離れても遠くにいてもずっと一番の親友だよ』

『うん……!!うん…!!』

日和はさらに泣き出した。

『泣かせたかったわけじゃないんだけど…

ごめん』

俺は服の袖で日和の涙を拭いた。

『嬉し涙だからいいの!』

日和は泣きながら笑って見せた。

『ありがとう!卓。私も同じ!』






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