君と僕の白昼夢
それからホームルームを終え、下校となった。
「卓!行こ行こ!」
「はいはい」
楽しそうに寄ってくる日和。
「健太郎!部活頑張れよ」
「おー!」
「バイバイ青木くん」
健太郎も部活へ行った。
俺はこのあと日和と、今日オープンした駅前のカフェへ行く。
日和はいつもより歩くのが速かった。
「早く行かないと超待つんだからね!」
学校から駅はとても近い。
そして俺の家は駅とは真反対。
日和もそうだが、日和と俺の家は少し離れている。
歩くこと10分くらい。
人がだんだん、増えてくる。
学校帰りの学生が多かった。
ここらへんまでくるとみんな同じ方向、同じ場所へ向かう。
駅だ。
歩く学生たちの背中を見ながら、あっという間に駅に着いた。
「わー!!!あれだよ卓!」
日和が目を輝かせて指さしたのは駅のすぐ横のカフェ。
たくさん人が並んでいた。やはり学生が多いな…
前は確か…
「ドラッグストアだったよな?」
「そうそう、あれ潰れちゃったんだよ」
駅にはなかなか来ないから全然気づかなかった。