君と僕の白昼夢
ずいぶん暇だな……
「…」
「…」
無言がしばらく続いた。
沈黙を破ったのは日和だった。
「卓…はやりたいこと決まったの?」
あぁ、そういえばまだ日和には言ってなかったっけ。
「宇宙工学…やりたいなーって思ってるよ」
俺が答える。
「……???」
やっぱり何かわかってないな。
「卓が…宇宙好きなのは知ってるけど…なに?飛行士とは違うの?」
「違うよ。
宇宙工学技術者は人工衛星とかロケットとか開発したり設計、製造したりすんの」
「開発!?すご…」
初めて俺のやりたいことを聞いて驚いていた。
「でも確かに…卓頭いいもんね。
テストいつも1位だし、全国模試だって1位とかでしょ?」
「それでも足りないかもね。
うちの高校のレベルだって高くないし」
「でもピン切りだし、できないやつは本当にできないけど、できるやつはすごいできるじゃん。
卓はできる部類だよ」
日和…
いつも立ち止まる俺の背中を押して励ましてくれるんだな。
「日和は?やっぱり保育士?」
「当たり前じゃん!」
日和は昔から保育士になりたいと言っていた。
子供が好きらしい。