君と僕の白昼夢
しかし、希望はある。
なぜならこのおじさん先生、居眠りをするからだ。
タイムリープする前も、授業中に寝ているのを何度も見た。
それに懸けるしか…
号令を終え、近くの見本のパソコンに課題が出される。
長い長い文章だ。
最初はやるフリをする。
しかし…
数分すると、先生はもう寝ている。
チャンスだ。
タイムリープの最中、健太郎と必死に課題をやっていたが、今落ち着いて周りを見てみると意外とみんなネットを見ていた。
なんだ…必死にやっていたのが馬鹿みたいだ。
しかも毎回同じのを。
俺はさっきのネットのページに戻った。
《1:妻の髪が長いことに……。妻の髪は胸の辺りまであった。しかし昨晩、妻は肩に髪がつかないくらいまで切って帰って来たのだ。伸びるなんて信じられない。》
この話が本当なら…俺とまあまあ似ている。
《1:「髪切らなかった?」と聞いてみると「今日切ろうと思ってたんだよ。まだ切ってないよ」と言うもんだから背筋が凍った。しかし確信もできなくて半信半疑で会社に出勤すると、昨日辞めた筈の後輩がいたり、昨日「妊娠しましたー」なんて言っていた女性社員がまた今日も同じ報告をしていてやっぱり……と思うようになった。》