君と僕の白昼夢
「お前今日ずいぶん熱心にやってたな?」
ホームルームの後、健太郎が笑いながら言ってきた。
「課題だと思う?お前と同じだよ」
俺も笑いながら返す。
「なーんだ。遊んでたのか」
健太郎はそういうと
「じゃ、俺部活だから」
「お、がんばれよ」
部活へ向かった。
ところで…今日どうするか考えていなかった。
結局…答えも見つからず…
俺が大きなため息をついていると…
「何したの?」
鞄を後ろに持った日和が心配そうに俺を見つめる。
「あ、いや…」
どうしよう…どうしよう…なにか考えなくては…
「ねぇ、帰らないの?」
「いや…帰…るけど…」
「あ、じゃあさ「あのさ!!」」
日和にカフェに誘われる前に言葉を遮る。
「や…山…裏の…あの山…行こ」
「…え?」
途端に思いついた場所。
前回、海と悩んだ場所。
とりあえず、ここだと。
「山…?」
だ、だよないきなり山とかおかしいよな!!
高校生なのにな!!
放課後山ってなんだよな!!
でもそんなのどうでもいいから。
「昔遊んだじゃん…なんとなく…思い出して」
無理な言い訳。
俺が息を呑むと…
「あぁ…そうだね…昔…
いいけど…」