プレゼントには消しゴムをください。




「こんな朝早くから学校の自習室で勉強しなくても」


そう思うけど、

それでもココに通い続けるのは、彼がいるからだろう。


無機質な空間に、イスと机が250席。
前を向くと、3列向こうに彼がいる。

もうダメだって思ったときは、ちらっと目線をやる。

そうすると、ああ、がんばらなきゃって思う。




彼のことは何も知らない。
彼が何時からここにいるかも分からない。

ただ、前に、学年での集まりのとき、理系側にいたのは記憶にある。

自習室ではいつも何かを細々と書いているようで、だから数学とか物理とかをやってるのかな………?

文系で私大狙いの私は、理系のどの教科がどれくらい書くものか全く予想もつかないけれど…。



そんなことを考えていると、爪がノートで擦れた。

「あたっ。」
―――あ、やっちゃった。
うるさかったかな。

< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop