プレゼントには消しゴムをください。
彼は、自分の席に行き、何かをつかんでまた戻ってきた。
「手出して―――はい。あげる。」
手のひらの上には、新品の消しゴムが、2個。
「え。でも」
「消しゴム何個も買ってたら行くの面倒にならない?」
「うん。あ、じゃあお金…!」
「いとこの家が文房具屋やっててさ。沢山買うからおまけで幾つかくれるんだよね、いつも。だからそれ、タダ。」
「そうなんだ…」
「自習室早く来る仲間のよしみってことで。」
「えっ」
気づいてた。
「あと3ヶ月。頑張ろうな」
「うん。」
受験は早く終わってほしい。
でも彼とは、このままでいたい。
朝の30分が続けばいいのに―――――。
ーーーFinーーー