強気な彼女は逃走中
夜都はというと、かなり険しい顔で私の同僚達を眺めている。

…無視ですか。

はぁ。なんか気が抜けた。

私は同僚達と夜都を交互にみてから、

『みんな、ありがと。とゆーことで、夜都バイバイ。』

その場をさっさと後にした。

これ以上は無意味だわ。

だって、会話になってないし、私の言ってる意味も理解できないのなら、これからもわかりあえないもん。

…の、はずなんだけど。

みんなと飲んで、なんだか飲みだしたらもう少し飲みたくなって、なじみのバーにひとり入ったら。

カウンターにいる…。

どうやら気がついてないっぽい。

一緒に飲んでる、夜都の友達の礼於(れお)くんの方が気がついて、マスターと二人、私に向かってシーって人差し指を顔の前に出している。

マスターに目線だけを向けられ、彼らの真後ろにあるテーブル席に座った。

薄いカーテンがしてある半個室になっているから、座ってしまえば、向こうから私は見えない。
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