強気な彼女は逃走中
…今日は家の前ですか。

私の一人暮らしのマンションの前に、だいぶ遅くなったのに待ってるイケメンひとり。

盗み聞きをしてしまった次の日。

今日は会社前にいないから、ちょっと油断してしまった。

きっと、昨日の今日で私の同僚に会いたくなかったのね。

今まで用事のあるときしかならなかったケータイも、着信もメールも入りまくり。

すべて無視して、とりもしなければメールを読んでもいない。

逃げてるだけなのはわかってるけど、今プロポーズなんてされても素直に返事なんてできないし。

裏口から入るか、立花のところに泊まるか…。

でも、このままずっと立たせておくのも、可哀想な気もするしなぁ。

よしっ!堂々と入るか!

と、意気込んだ瞬間、デジャヴ…?

一度だけ見た女の人が、夜都の腕に絡みつきました。

「天城くん!偶然~!家このへんなの?私は友達の家が近くてぇ~。」

すごい猫なで声。

夜都って、あんな媚びる感じの子を好きになったことあるんだな。

なんか意外。

「うるせぇ。香水くせぇから離れろ。」

辛辣!

彼女を視界にもいれてない。

「それにお前の店の指輪はキャンセルしたはずだ。客でも何でもないんだから、もう話しかけんな。」

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