強気な彼女は逃走中
「ええ~でも、キャンセルしたんだから、もうあげる人いないんだよね?じゃあ、私とまた付き合ってよ!」

瞬間、まさに鬼の形相で、やっと女の人を視界に入れた。

「お前に頼まないだけだ。」

低い威圧感ある声に、若干びびってる?

後退りしたな、彼女。

「はっきり言っておくが、オレは誰も好きになって付き合ったことなんか、一度もない。お前も名前さえ覚えてないんだよ。」

好きになって付き合ってない?

私との3年は何だったの?

好きじゃないなら何?

今も私が逃げてるから追ってるけど、執着してるようにみえるだけ?

「指輪の彼女もすきじゃないんだぁ~。じゃあ、私2番でもいーよ!」

立ち直りの早い彼女の提案。

なんか聞いてるのもバカらしくなってきた。

立花のとこいこう。

私は踵を返して、そっとその場を離れた。
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