強気な彼女は逃走中
「………。」

『困ったらダンマリなの?てか、立花が真面目なのはわかってるよね?一年付き合って、浮気して、許してくれるように見える?どうせ、飲みで酔っぱらって手出して、ズルズル続いてるとかそんな感じでしょ?そんな汚ない手で立花に触れてたなんて、寒気がするわ。一生後悔して。』

強気な私だけど、言いながら涙が出てきた。

悔しい!泣きたくないのに。

「大好きなんだねぇ、立花ちゃんのことー。」

礼於くんののんびりした声が聞こえる。

頭にはポンポンってのる手。

後ろには夜都と礼於くん。

いつからいたの?

思わずぎゅっと夜都に抱きつく。

背中をさすってくれる優しい夜都。

「オレ…今の会社やめるよ。だから…!」

「いい加減にしてくれない?会社やめて、新しいとこ行って酔っぱらって手出して、またやめるの?流されやすいんだから、繰り返すだけよ。そもそも、もう触られたくない。顔も見たくない。」

食い下がる吏人くんを、容赦なくぶったぎる立花。

「はっきり言っていい?てか、オレ、アリアちゃんの彼氏の友達なんだけど…いい加減、諦めたら?立花ちゃんの性格知ってるよね?わかってて女連れ込んだんだろ?男なら力強いんだからすぐ追い出せるし、一回ヤって後悔する所かズルズル続けるなんて、アリアちゃんの言う通り立花ちゃんバカにするにも程があるよな。帰って、その女と仲良くすれば?彼女いてもいいなんてバカ女の方が、キミにお似合いだと思うよ。」
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