強気な彼女は逃走中
礼於くんが冷静に言うのを、みんなで聞いていた。

マスターも手を止めて聞いている。

私と目が合うと、フッと笑ってから。

「お帰りはあちらですよ?これから先、この店には立ち入らないでくださいね。…てか、うちの姪っ子に何してくれてんだ、テメェ!二度と顔見せんじゃねぇ!」

マスターが怒鳴った!

ぶっ。

思わず笑いが出た。

立花も笑ってる。

実はマスターは立花パパの弟なんだよね。

しかも昔は相当ヤンチャしてたらしいし。

吏人くん、固まってる。

『マスター、ジントニック~。立花…は頼んだばっかか。夜都と礼於くんは?』

「オレはムカムカするから、とりあえずビール!」

『いや、いつもビールじゃん。』

「オレもコロナ。」

残念なことに、吏人くんを気にする人は、もう誰もいなかった。

「あれ~。浮気者吏人くんじゃん!昨日、散々愚痴られたんだから、これ以上迷惑かけないでね~?お帰りはあちらでーす。二度とオレの前にも姿現さないでね~。会ったら一発位ぶん殴るつもりだったけど、殴る価値もないって気がついたわ。」

気にする人まだいた!

辛辣にぶったぎったけど。

は、はぁちゃん!

ニコニコ笑ってるけど、ぶちキレてます。

ちなみにいつものごとく、私に抱きついてます。

瞬間移動してきた?!
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