強気な彼女は逃走中
対決!
私はあれから、立花と別れ、夜都のマンションへとやってきた。

バッグの中に入れてあったエコバッグを広げ、置いておいた洋服や化粧品、歯ブラシまで入れて痕跡を一切残さず消している。

話したらさっさと退散するつもりだ。

珍しくお揃いなんてしてしまったマグカップ…どうしようかな、なんて考えてたら。

カギが開く音が聞こえ、この家の主が帰ってきた。

「来てたのか。」

スーツの上着を脱ぎながら、私をちらっと目にいれる。

そこに笑顔はなく、疲れている顔の男。

クールで感情が乏しいとはいえ、仮にも3週間ぶりに会った彼女なんですが。

やっぱりもうどうでもいいのかな。

『おかえり。疲れてるとこ悪いんだけど、話があるの。』

「何だ?」

ネクタイをはずしながら、ソファーに座る。

私は基本、言いたいことは直球勝負だ。

『今日何してた?』

夜都はじっと私を見つめ、

「仕事。」

一言だけ言う。

まぁ、仕事だけじゃないよね。

当然言えないわよね。

『と?何処に行ったの?』

二人の間に沈黙が流れる。

何も話さない彼にしびれを切らした私は。

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