強気な彼女は逃走中
ガチャンと派手な音がなり、マグカップが割れる。

まるで私達の間みたいね。

「割れたのか?」

背中に視線を感じるけど、振り向かずゆっくりため息をつきながら私は答えた。

『もう使わないからいいのよ。』

「どういう意味だ?」

少しだけ、焦ったような声音だったのは気のせいだったかな。

私の願望がそう聞こえさせただけ?

そのまま何も言わずに、バッグとエコバッグを掴んで、一目散に玄関へと向かって走り出した。

「アリア!」

久々に名前呼ばれたな…なんて、思いながら。
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