ビンの中の王子様
「まああああ裕香ちゃん!」
園長はうそつき天使の名を叫ぶとと、感極まった様子で肉付きのいい腕を広げ、抱きしめた。
「本当に優しい子!こうしていつもいつも教室を抜け出すのは困ったことだけど、あなたはとってもいい子なんだって、先生たちはみんなちゃーんとわかっていますよ!」
しかし、裕香の小さな手が地面に向かってそっとピースサインをしているのを、偽王子は見逃さなかった。
さて、感動の抱擁に酔いつつ、園長の視線が偽王子に止まった。
「裕香ちゃんのお兄様、でしたのね。失礼いたしました」
「え・・・、ははいはい!いえいえとんでもないとんでもない」
「さすがに日本語がお上手なんですね。私、園長の春日部と申します。失礼ですがお名前は?」
「はい、え、と」
視線が空をさ迷う偽王子に変わって答えたのは、やはり裕香だった。
「兄の名前は、ルー・ダイアモンドと申します。ちょっと変わってるでしょ?」
「はい、えー私、ルー・ダイアモンドって申したりして、って、え?ええええ??・・・」
今度こそ、本当に、偽王子の顔が真っ青になった。
「なななななんで?俺の名前・・・」
―――――を、知ってるんだ!
最後の言葉は理性で押し込めた偽王子だった。
振り返ってニヤリと笑い、小悪魔はWピースを両手で作る。
こいつ。ナニモン?
「予定より早くおうちの着いたので、この姿で私をびっくりさせようとここに来たんですよね、おにいさま?」
「・・・・・はい。その通りで」
偽王子・ルー・ダイアモンドは、完全に小悪魔・裕香のペースに乗せられていた。
園長はうそつき天使の名を叫ぶとと、感極まった様子で肉付きのいい腕を広げ、抱きしめた。
「本当に優しい子!こうしていつもいつも教室を抜け出すのは困ったことだけど、あなたはとってもいい子なんだって、先生たちはみんなちゃーんとわかっていますよ!」
しかし、裕香の小さな手が地面に向かってそっとピースサインをしているのを、偽王子は見逃さなかった。
さて、感動の抱擁に酔いつつ、園長の視線が偽王子に止まった。
「裕香ちゃんのお兄様、でしたのね。失礼いたしました」
「え・・・、ははいはい!いえいえとんでもないとんでもない」
「さすがに日本語がお上手なんですね。私、園長の春日部と申します。失礼ですがお名前は?」
「はい、え、と」
視線が空をさ迷う偽王子に変わって答えたのは、やはり裕香だった。
「兄の名前は、ルー・ダイアモンドと申します。ちょっと変わってるでしょ?」
「はい、えー私、ルー・ダイアモンドって申したりして、って、え?ええええ??・・・」
今度こそ、本当に、偽王子の顔が真っ青になった。
「なななななんで?俺の名前・・・」
―――――を、知ってるんだ!
最後の言葉は理性で押し込めた偽王子だった。
振り返ってニヤリと笑い、小悪魔はWピースを両手で作る。
こいつ。ナニモン?
「予定より早くおうちの着いたので、この姿で私をびっくりさせようとここに来たんですよね、おにいさま?」
「・・・・・はい。その通りで」
偽王子・ルー・ダイアモンドは、完全に小悪魔・裕香のペースに乗せられていた。